17:00 ユーロ 8月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) ★★ 49.7 49.6
17:30 イギリス 8月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) ★★ 46.0 47.3
21:30 米国 前週分新規失業保険申請件数 ★★ 25.0万件 23.2 16PIPS UPした。
23:00 米国 8月ISM製造業景況指数 ★★★ 52.0 52.8 42PIPS UP 139.99 のキリ番でショートし4.3PIPS GET
https://jp.reuters.com/article/analysis-pakistan-flood-idJPKBN2Q22MK
トップニュース2022年9月1日3:04 午後8時間前更新
アングル:パキスタン大洪水の教訓、求められる多角的リスク対策
ロイター編集
2 分で読む
[ロンドン 31日 トムソン・ロイター財団] - パキスタンは洪水で国土の3分の1が水没し、子ども380人を含む少なくとも1100人が死亡した。この惨状の原因は、気候変動によって激しさを増したとみられるモンスーンの豪雨だけではない。 パキスタンは洪水で国土の3分の1が水没し、子ども380人を含む少なくとも1100人が死亡した。写真はパキスタンのバディンで、冠水した橋を渡る人々。30日撮影(2022年 ロイター/Yasir Rajput)
警報システムへの投資不足、危険地帯における住居建設、政府が化石燃料削減の努力を怠ったことなどが主因だと、アナリストは言う。これは世界中で増える気象災害に共通した問題だ。
国連大学(ドイツ)で環境脆弱性に関する調査を率いたジタ・セベスバリ氏は「災害は自然発生するものではない。われわれが自らの行動もしくは無作為によって災害に手を貸しているのだ」と語る。
だが朗報は、「災害の影響を抑えるために、やれることは多い」ことだとジタ氏は指摘する。
国連大学は31日に公表した調査報告書で、自然保護の取り組み改善、格差縮小、早期警戒システムの強化、過剰消費の抑制、リスクに対する計画の向上といった措置を講じれば、大きな成果を生む可能性があると提言した。
昨今の幅広い科学・経済研究により、気候変動による損失が、こうした措置のコストを間もなく大幅に上回るとの見通しが示されている。
パキスタン一国をとっても、今回の洪水による損失は推計100億ドル。森林の降雨量が増えればこの額はさらに膨らむと政府は予想する。
<パキスタンの問題>
科学者らによると、パキスタンは夏の豪雨に加え、4、5月の激しい熱波が水害に大きく影響した。熱波によって氷河が溶けて河川の水位が上がっていたところにモンスーンが訪れ、洪水を引き起こしたというのだ。
政府がリスク削減に向けて不断の準備を怠ったことも、損害につながったと研究者らは言う。
パキスタン政府は2010年から12年にかけて甚大な水害に見舞われた後、氷河融解の新たな監視システムに加え、洪水の早期警戒システムを整えると約束。今年8月の洪水では早期警戒システムによって救われた命もあった。しかし2010年から5回の政権交代を経験し、多額の債務を抱えた同国は、約束した措置を全て実行したわけではない。
世界的に見ても、気候変動リスク抑制のための支出を最優先課題に掲げている国は珍しい。
ジタ氏は「われわれは新型コロナウイルスのパンデミックに際し、ひとたび(ある課題が)優先事項になれば相当な金額をそこに回せることを目の当たりにした」とし、気候変動に関してはこうした動きがほとんど見られないと強調した。
広告https://08267dc176cb0205904b347d7f14e986.safeframe.googlesyndication.com/safeframe/1-0-38/html/container.html
<進まぬ資金支援>
リスクに直面するパキスタンのような国への国際的金銭支援もほとんど実現していない。
国連のグテレス事務総長は今週、パキスタンに1億6000万ドルの支援を行う計画を示し、協力を呼びかけた。
しかし世界的に災害が急増しているにもかかわらず、人道支援団体には支援金が集まらず、不足額が膨らんでいる。
炭素排出の大部分に責任を負う先進国は、発展途上国の気候変動対応を助けるため、2020年までに年間1000億ドルを支援すると約束していたが、未だに実現していない。
気候変動関連の災害が増える中、貧国を助けるための世界基金を設立する計画も難航している。もっとも11月にエジプトで開かれる国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)では、パキスタンの事態を受けてこの問題が前面に出てきそうだ。
<解決の選択肢を増やす>
国連大学の報告書は、リスク低減のための有効な資金活用法として、1つではなく複数の脅威を同時に狙う方法を提言している。
2021年から22年までに世界で起こった10件の大災害を同大学が調査したところ、その多くに自然破壊、経済格差、計画不足といった共通の問題が影響していた。
ジタ氏は、世界的な格差拡大から、生物多様性の喪失、気候変動に至るまで全てに留意する必要があるが、「これらに個別に対処しようとすると失敗するだろう」と予想する。
同様に、選択肢を狭めることで資金を節約している国々も、災害への耐性を強めるために投資を多角化する必要があるかもしれないとジタ氏は言う。ロシア産天然ガスに依存し過ぎた欧州諸国や、今年1月の海底火山大噴火により、1つしかない海底通信ケーブルを失ったトンガなどがその代表例だ。
「ドイツのロシア産ガス依存のように1つの解決策にだけ投資すれば、それが入手できる限りは低コストで済む」とジタ氏は指摘。「投資を多角化すると、当初はもっと高くつくこともあるが、やがて成果は得られる」と語った。
(Laurie Goering記者)