9月 要人発言

2022-0909-相場観察

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-09/RHX8E9T0AFB401

黒田総裁「1日に2-3円動くのは急激な変化」-首相と会談

萩原ゆき、占部絵美2022年9月9日 12:17 JST 更新日時 2022年9月9日 12:45 JST

  • 急激な為替変動は将来の不確実性高め好ましくない、動向を注視
  • 為替市場動向も説明、岸田首相からは特段の指示や要望はなかった
黒田東彦総裁 Photographer: Jun Hirata/Kyodo News

日本銀行の黒田東彦総裁は9日、為替相場が「1日に2円も3円も動くのは急激な変化」と認識していると述べた。官邸で岸田文雄首相と会談した後、記者団に語った。

  黒田総裁は「急激な為替レートの変動は、企業の経営方針を不安定にし、将来の不確実性を高めてしまう意味で好ましくない」と指摘。「為替市場の動向を今後とも注視する」と述べた。

  金融資本市場について説明した中で、為替市場動向も話したという。岸田首相からは特段の指示や要望はなかった。

  両者の会談は6月20日以来、4度目。

  黒田総裁の発言を受けて、東京外国為替市場では円を買う動きが強まり、円は1ドル=143円ちょうど付近まで上昇した。

円は対ドルで24年ぶり安値水準
  

  欧米の中央銀行がインフレ抑制のため積極的に利上げを進める一方、緩和継続を主張する日銀との金融政策の違いが意識され、円安が加速している。7日には一時1ドル=144円99銭と1998年8月以来の円安水準を更新した。

  財務省と日銀、金融庁は8日、6月以来となる国際金融資本市場に関する情報交換会合(3者会合)を開催。神田真人財務官は会合後、最近の円安進行は「明らかに過度な変動」とした上で、政府としては「動きが継続すれば、あらゆる措置を排除せず、為替市場において必要な対応を取る準備がある」と述べた。

  世界的なエネルギーや食料価格の高騰を背景に、日本の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の前年比上昇率は日銀が目標水準とする2%を4カ月連続で上回っている。物価高騰を背景に政府は9日、住民税非課税世帯への給付金など追加の物価高対策を取りまとめた。

関連記事
円が対ドルで上昇、円安は急激な変化と黒田日銀総裁-一時143円付近ECB、歴史的な0.75ポイント利上げ-今後数回で追加利上げへ (2)過度な為替変動に「あらゆる措置排除せず必要な対応」-財務官 (2)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-08/RHWUNFT0G1KX01

(発言の詳細を追加します)

円一時142円半ばに上昇、黒田総裁発言で買い加速-ドル全面安

酒井大輔、小宮弘子2022年9月9日 8:09 JST 更新日時 2022年9月9日 15:37 JST

東京外国為替市場では円が対ドルで一段高となった。米金利が時間外取引で低下しドルが全面安となる中、岸田文雄首相と会談した日本銀行の黒田東彦総裁の円安に関する発言をきっかけに、ドル売り・円買いの流れが強まった。今週に入り円安が急速に進んだことや主要な海外中銀の政策決定が一巡したことから、週末を前にポジション調整の動きが加速し、円は一時1%超上昇した。

ハイライト
円は対ドルで一時、前日比1.1%円高の1ドル=142円46銭まで上昇した。午後3時25分現在は0.9%高の142円86銭ブルームバーグ・ドルスポット指数は0.6%安の1298.33

  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、「ドル・円相場もさることながら、米金利低下を受けたドル全面安の色合いが強い」と指摘。他通貨でドル売りが進む中、クロス円が上昇し円相場の買い戻しを阻んでいたが、「黒田総裁が急激な円相場の動きに対してけん制をしたこともあり、ドル・円相場もドル全面安の流れに追いついてきた」と述べた。

  日銀の黒田総裁は9日、為替相場が1日に2円も3円も動くのは急激な変化と認識していると述べた。急激な為替変動は企業の不確実性を高め好ましくないとした。官邸で岸田文雄首相と会談した後、記者団に語った。

  野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは、8日の3者会合に続き黒田総裁と岸田首相の会談が行われ「立て続けに政策当局者がけん制する形で会合を持ってきたことで、海外勢を中心に為替介入と日銀の政策修正への警戒感が広がっているんだと思う」と述べた。

  米10年債利回りは時間外取引で一時3ベーシスポイント(bp)低下し3.29%付近となった。

今週のドル・円相場と米長期金利の動き
  

海外の主要中銀利上げ

  欧州中央銀行(ECB)は8日、0.75ポイントの利上げを実施。声明で「この大きな一歩は現在の極めて緩和的な政策金利水準から、インフレ率を適切な時期に目標の2%に戻す金利水準への移行を前倒ししたものだ」とし、「今後数回の会合でのさらなる利上げを想定している」と表明した。ユーロは対ドルでアジア時間に入り買いが優勢になった。

  ECBのほか、今週はオーストラリア準備銀行、カナダ銀行も大幅利上げを実施し、日本の金利との内外格差は広がっている。三菱UFJ銀行の鈴木悠太調査役(ニューヨーク在勤)は、「他の中央銀行が金利を引き上げれば上げるほど、対円でのキャリーが大きくなっていく。ドル・円にしてもクロス円にしても長期でポジションを保有するならロング(他通貨買い)しかないという状況で、じりじりと上がりやすい」とみている。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は8日の金融政策関連会議で、インフレ抑制の「任務が完了するまで」金融当局が尻込みすることはないと言明し、改めて金融引き締めを続けていく姿勢を示した。NBCフィナンシャルマーケッツ・アジアのディレクターのデービッド・ルー氏はこうした発言や内外金利差から「円の上値は限定的で調整の動きにとどまるだろう」との見方を示した。

  

関連記事

21:30 カナダ 8月失業率 ★★★ 5.0% 5.4% IFD 3PIPS WIN +3000円

-9月, 要人発言